ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

NEW FIT

2020.02.14

乗り心地しっとりコシのある乗り心地を、人は心地よいと感じる。

奥山 貴也TAKAYA OKUYAMA

株式会社本田技術研究所 新型フィット 開発責任者代行(完成車性能 開発責任者)

1991年、本田技術研究所に入社。車体研究室にてさまざまな車種の動力性能テスト領域のグループリーダーを務め、完成車性能研究に従事。2006年より新機種プロジェクトチームに参加し、12年にアキュラILX、15年にシャトルを担当。今回、4代目フィットの開発責任者代行を務める。

「ユーザーの方が諦めていた、感覚的な領域まで掘り下げて改善しました」

しなやかで力強い〝足回り〞。

サスペンションの部品の抵抗を減らし、足回りをスムーズに作動するようにして、ヨーロッパのアウトバーンや悪路で走りを磨いた。これにより、凸凹道でもしなやかな乗り心地と最高速域でも安定した走行性を実現した。

新型フィットの完成車性能の開発責任者である奥山貴也さんは、乗り心地のよさを構成する要素を3つ挙げた。
「1つ目が長距離ドライブでも疲れないこと、2つ目が運転が苦手な人が上手になったと感じるような運転のしやすさ、そして3つ目が車内で会話を楽しめる静かさです」
 まず、長距離ドライブでも疲れないクルマを実現するポイントとして、奥山さんは讃岐うどんを例に出した。
「芯にはコシがある代わりに、周囲はしっとりしています。ああいう乗り心地だと疲れないんですね」
 この乗り心地を実現するために、奥山さんはサスペンションの部品の抵抗を極限まで減らし、スムーズに作動するように調整したという。
「アスリートの足を考えると、筋肉をつけて強くするだけでは勝てません。柔軟さを身に付けないと、凸凹道を走った時にケガをします。そこでヨーロッパの道を高速で走りながら、力強さとしなやかさを身に付け、どんな道でも走れるように開発を行いました」

人のためのスペースは最大に、エンジンルームは最小に。

2つ目の運転のしやすさを実現するポイントを尋ねると、こう答えた。
「狭い道でも気持ちよく運転できるようにするためには、クルマはコンパクトのほうがいい。でも、車内の広さは譲れない。そこでエンジンルームは、従来通りのコンパクトさをキープすることが大事になります」
 ただし新型フィットは2つのモーターを積むハイブリッド車。従来に比べてモーターが1つ増えている。従来のエンジンルームでも必要な機器で埋め尽くされており、そこへもう1つモーターを入れるのは容易ではない。
「そこで目を付けたのが、最近のクルマは万が一の衝突時に歩行者を保護するためにボンネットの位置が高くなっていることです。2階建ての家を3階建てにするように、柔軟性のある樹脂部品をエンジン上部に重ねることで、コンパクトなエンジンルームを実現することができました」

3つ目の静かさの実現にあたっては、ユーザーの声が大きかったという。
「あるコンパクトカーに満足されているというユーザーの方に、できれば改善してほしい点はありませんかと尋ねると、クルマの外の音が気になって車内で家族と会話できないことがあるという返答をいただいたんです」
 そこから奥山さんは、ユーザーの立場になって高速走行時の風の音をチェックしたり、ボディ素材を見直したり、必要な箇所には防音材を配置した。さらにエンジン回転が心地よくシフトアップしていくような制御にも取り組み、静粛性にこだわった。
 ユーザーは、潜在的に改善してほしいと思っていても、コンパクトカーだから仕方がないと諦めていたかもしれない。こうした感覚的な領域まで掘り下げて改善する。そうやって、新型フィットは生まれたのだ。

運転しやすさに貢献するエンジンルーム

クルマの高性能化に伴って増えるメカ類により全長が伸びる傾向があるが、新型フィットはメカ類の小型化・再配置によってコンパクトなエンジンルームを実現。運転しやすいようクルマの全長を4m以内に収めた(一部のタイプを除く)。

どんなシーンでもスムーズな操作感。

ラクに運転ができることを目指し、低速や駐車では取り回しよく、高速や山道では安心して運転できるように、パワーステアリングも緻密に調整している。