ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

NEW FIT

2020.02.14

心地よい視界視界に入るノイズが減れば、 心地よく運転ができる。

山口 友樹TOMOKI YAMAGUCHI

株式会社本田技術研究所 新型フィット エクステリア設計 担当

2008年、本田技術研究所に入社。トランク・テールゲートの設計を担当、09年よりシビックや北米のアコードクーペの開発を経て、15年発表のステップワゴンのテールゲートの開発を担当。今回、4代目フィットのエクステリアの設計チーフを務める。

「視界のノイズを減らして、視界の心地よさを追求しました」

クルマを運転する時に、私たちは多くの情報を視覚から得ている。したがって、視界のよし悪しは、そのクルマを心地よく運転できるかどうかを左右することになる。新型フィットの開発にあたって視界の改善を担当した山口友樹さんは「第一に考えたのはノイズを減らすことでした」と振り返った。「運転席に座った時に曲がった線や出っ張りが目に入ると、人間はそれをノイズだと認識して不快に感じます。心地よさを追求するために、たとえばワイパーが目に入らないようにするなど、徹底的にノイズを減らすことに取り組みました」
 山口さんによれば、インテリアをシンプルにすることと同時に、水平基調のデザインにすることで、視界をすっきりクリアにすることができたという。また、運転席だけではなく後席に座る方にも配慮したとのことで、山口さんは後席のドアを開いてそれを説明してくれた。「窓ガラスのいちばん下の部分の高さが、フロントとサイドで揃っていることがおわかりいただけると思います。このデザイン処理によって、後席の方にも心地よい視界を提供することが可能になりました」
 山口さんが、線一本一本までこだわる理由がよく表れている。

視界をよくする極細フロントピラー

視界を確保するためにフロントピラーを極限まで細くした。コーナーでも対向車がピラーの間から見えて安心。

安全性を担うサブピラー

サブのフロントピラーに衝突の衝撃を受け止める設計をすることにより、安全性の確保に成功した。

水平基調って心地よい。

フロントとサイドのガラスの下端の高さを揃えることで、後席にも心地よい視界を提供している。クルマのあらゆるラインを水平基調にすることで、デザイン的にも美しく、シンプルにまとめている。

安全と心地よさを両立する、
〝二本立て〞というアイデア

ただし山口さんによれば、順風満帆で開発が進んだわけではないという。「フィットはコンパクトカーですが、求められる衝突安全性能は大型車と同じです。一方、コンパクトなクルマのボディを強くしようとすると金属の部分が増えて、ガラスの面積が少なくなってしまいます。ここが難問でした」
 安全性と視界の確保の両立にあたって、具体的なポイントとなったのが、フロントガラスとサイドウインドーの間に位置する柱だ。運転席から見た時に右斜め前方に位置するこの柱はフロントピラーと呼ばれ、万が一の衝突の際には衝撃を受け止める役割を担う。「フロントピラーを細くすれば視界がよくなりますが、それでも安全性を犠牲にするわけにはいきません。ここが悩みどころでした」

そこで山口さんをはじめとする開発陣が考えたのが、フロントピラーを〝二本立て〞にするアイデアだった。「視界に直結するフロントピラーは極細にし、その後ろにサブのフロントピラーを配置して、こちらで衝突の衝撃を受け止める設計としました」
 こうした技術的な壁を乗り越え、結果として、新型フィットは運転席でも後席でも見晴らしがよく、そして外から見てもガラス面積の広い、いかにも運転しやすそうなクルマに仕上がった。「視界のよさというのは感性の部分が大きいので、なかなか正解が見つからずに苦労しました。けれども自分や周囲の感覚をすり合わせながら、ホンダの伝統である〝ワイガヤ〞でいい方向に進んだと思います」
 最後に山口さんは「ぜひ一度、座ってみてください。すぐにわかるはずです」と、語気を強めた。

ひと目でわかる爽快な視界。

フロントピラーの“二本立て”で、見晴ら く、前方確認もしやすい。しのよいワイドな視界を可能にした。
乗った瞬間から視界のよさを感じる。

視界の水平線はすっきりと。

水平基調にすることによって、視界がすっきりとして車両感覚をつかみやすフロントピラーの“二本立て”で、見晴ら く、前方確認もしやすい。