ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

ホンダ・新型フィット
ユーザー本位で実現した、〝心地よさ〞の形。

「心地よい視界」「座り心地」「乗り心地」「使い心地」を兼ね備えた新型フィット。
それぞれの心地よさを開発した担当者にその開発秘話を聞いた。

NEW FIT

2020.02.14

座り心地心地よいシートの答えは、 人間の身体の構造にあった。

福田 優樹YUKI FUKUDA

株式会社本田技術研究所 新型フィット シート開発 担当

2008年、本田技術研究所に入社。ドライビングポジションの研究開発を担当し、10年よりシート研究開発に従事。15年に発表したS660では、シートの企画の提案から生産の立ち上げまでを担当。4代目フィットでは、フィーリング性能の開発を担当している。

「骨盤を安定させるシートなら、運転しやすく、疲れにくくなります」

クルマに乗って真っ先に身体に触れるのがシートだ。したがって、シートのよし悪しがそのクルマの第一印象を決めることも多い。新型フィットの開発にあたって、シートの座り心地の改善に努めたのが福田優樹さんだ。「心地よさ」というキーワードから、福田さんが考えた理想のシートとは、「優しく身体を包むようなシート」だったという。
「座った瞬間にしなやかに沈み込む、〝たわみ〞感というところには相当こだわりました」
 一般的に、座り心地のよいシートはふわふわのソファのようなものを想像する。けれども、福田さんによればクルマの運転席に求められるのは、また別の能力だという。
「たとえばふかふかのソファに座って文字を書くことは難しいと思います。同じように、運転のしやすさや長時間乗っても疲れにくいシートを目指すと、ソファとは異なる性能が必要でした」

そこで福田さんをはじめとする開発陣は、人間工学をベースに、人間の身体の構造から考えることにしたという。
「行き着いたのが、骨盤を安定させるシートであれば運転がしやすく、疲れにくくなるということでした。そこでシートの構造を見直しました」
 応接間のソファと異なり、クルマのシートは前後左右のG(重力加速度)を受ける。その時に身体をしっかりと包み込んで骨盤を安定させるには、背もたれの構造を変える必要があったという。
「従来の背もたれは、バネで人を支える構造になっていました。ただし、バネとバネの隙間から力が抜けてしまうことで、骨盤が動きやすい状態になってしまうんです。そこでバネではなく、マットを採用することにしました」

包まれる感触を生むシートの土手。

前席のシートは土手で身体をしっかりと包み込むようなデザインになっており、その見た目からも頼もしさを感じる。

車内で会話がしやすいシート形状。

後席に座った人が前席に話しかけやすいように、前席シートの肩があたる部分をシェーブ。デザインでコミュニケーションのしやすさも変わる。

従来のシートは、底面部のバネとパッドで身体を支える構造だった。新たに開発したシートは、底面部から側面部にかけて配したマットでパッドを包み込み、身体を支える構造にすることによって、骨盤をより安定させることに成功した。

上級セダンに匹敵する、
座り心地を実現した

前席と同様に、後席も上級セダン並みの座り心地にすることを目指した。
「上級セダンと同じような座り心地にするためには、より厚みのあるパッドを採用したくて、後席に関してもフレームからつくり直しました」
 ここで苦労したのは、フィットのセールスポイントのひとつであるシートアレンジとの両立だった。後席を倒しやすくすればシートアレンジは使いやすくなる。一方で、座り心地を考えればしっかりとした構造にしたい。
「正直、無理だと思う時もありましたが、部署間で連携を図り、シートアレンジと座り心地を両立させました」 
 シートへの気配りは細部にまで至り、たとえば後席に座った人が前席に話しかけやすいように、前席シートの形状を微妙にシェーブしているという。
「他にもゆったりとしたシートに座りたいというお客様の声も反映して、座った時に大きく感じることにもこだわりました。納得できるところまでこだわり抜いたので、自信作です」
 これは決して、手前味噌の発言ではない。シートの部品を納入するサプライヤーからも、「最高傑作ですね」という言葉をかけられたというのだ。

快適性と利便性を高次元で両立。

フレームを見直し、身体が包み込まれるような仕上がりに。さらにシートアレンジもできるリアシートが誕生した。

細部へのこだわりが寛ぎを生む。

脚があたるパッドまでこだわり、いかにリラックスして寛げるかを追求。生産現場からは「最高傑作」との声も。